「杉でつくる家具」組み立て体験レポート
日曜大工の楽しさを気軽に実感できる「杉でつくる家具」の組み立てキット。実際に素人が作って一人で完成させられるのか、DIY家具担当の大沼勇樹のアドバイスの下、編集部の東瀬が組み立てに挑戦してみました。
1.「杉でつくる家具・組み立てキット」とは
「杉でつくる家具・組み立てキット」は、1953年に発行された書籍『アイディアを生かした家庭の工作』および、そのリメイク版として2019年に出版された書籍『杉でつくる家具』を元にデザインされた家具の組み立てキットです。
家具のデザインを手掛けたのは、日本の工業デザイン黎明期に活躍したKAKデザイングループの金子至、秋岡芳夫、河潤之介の3人。ホームセンターも電動工具もなかった時代に、ノコギリと身近な建築用材(杉の貫板/丁張り板)を駆使し、ミニマルで機能的なDIY家具を提案しました。
今回は私、編集部の東瀬が実際に組み立てに挑戦。本当にドライバー1本だけで完成させられるのか、大人が座ってもグラグラしないのか、検証してみました。
組み立てに挑戦したのは、シリーズの中でも一番人気の「筋交いが効いた2WAYスツール」。部品数が少なく軽やかで、一見すると頼りなさそうにも見えますよね。しかし実は「筋交い」という建築構造を取り入れることで、見た目に反した頑丈さを実現しています。大人が座ってもびくともしないそうです。

2.わたしのDIY遍歴
「DIY」という言葉を聞いて思い浮かべるのは、DIY好きの父が庭につくってくれた子どもの家です。父は、まさに日曜大工。1人忙しなく動き回り、いつの間にか完成させたなにやらを得意げに披露してくれるような人です。
私はというと、ものづくりは好きですが、ハマったものといえば、人形用のお家づくりや消しゴムはんこなど。1人で家具のような大きいものを作った経験はありません。私が作った中で1番大きいものといえは、大学時代のアルバイト先のカレー屋さんで作った店内用の木箱。電動ドライバーでビスを打って、黙々と箱作りをするのは楽しかったです。あとは、ネットで注文した家具の組み立てに数時間もかかってクタクタ……なんてことはありましたが、それはあくまで必要な「作業」でした。
そんな私、ノコギリもトンカチも不要なこのキットなら、超お手軽に「ものづくり」の楽しさを味わえるのではないかと期待しています。人一倍非力な私でも完成させられるのか、失敗したら記事は御蔵入りなのか……そんな不安も抱えつつ、いざ、挑戦します。

3.まずは中身のチェック

パッケージはこんな感じ。ちょっと枕みたいでかわいいですね。材料となる杉がとてもやわらかいので、傷や凹みができないよう、内側がプチプチになっているダンボールシートでがっちり梱包されています。持ち上げてみて軽さにびっくり!

外袋から取り出したら、「パーツを傷つけないように」気をつけてカッターで開封。

取扱説明書と本体パーツ、付属品(ビス・ヤスリ・当て木)が入っています。パーツには下穴があらかじめ空けてありました。

パーツがそろっているか、説明書と実物を照らし合わせて指差し確認。すべてそろっていましたよ。
4.いよいよ作業開始!
今回は「杉でつくる家具」のプロジェクト担当・大沼センパイにフォローしてもらいながら慎重に作業を進めました。
手を動かす前に、ひと通り作業内容を確認しましょう。説明書に記載されている組み立て方法によると、たったの4工程。使う道具は「プラスドライバー」と「鉛筆」だけ。できる、できるぞ!
作業工程
- 座板の接合
- 細い脚の取り付け
- 太い脚の取り付け
- 脚同士の接合
1. 座板の接合

説明書と手元のパーツをよく見比べて向きを確認。端の斜めのカットと下穴の位置で識別できました。

向きの確認ができたら、ビスを留めていきます。平らな場所で横に寝かせて作業すると楽でした。杉が柔らかい+下穴が空いているので、強い力は不要です。まっすぐビスが入っていくのが気持ちいい〜。
※ポイント
上の写真、少しずらして板を重ねているのは作業台を傷つけないための工夫です。大沼センパイから教わりました。

指で触れてみて、ちょっとビスの先端が出てるとわかるくらいまで挿し込んだら、板をL字型に組み、しっかり押さえながらさらにビス留め。
3本のビスを少しずつ、端・端・真ん中の順に交互に増し締めすると、隙間なく接合できるそう。
(寝かせてやるよりは難しいけど、仕方ないか〜)と思いながらドライバーを回していると、大沼センパイから「ビスの頭が自分の体の正面に来るようにパーツの向きを変えると力が入れやすくなるよ」とアドバイスが。体に対するパーツの向きとは、初心者が見落としたポイントでした。

少しずつ進めたおかげで歪みなし。最後は少しめり込むぐらいまでビスでしっかり留める!
2. 細い脚の取り付け

座板の両端に太い脚を付けるため、まずは両端に15mm幅の印をつけます。15mmを測る定規を探していると、大沼センパイから「太い脚の実物を当てて印をつければいいよ。」とアドバイス。素人過ぎて気づきませんでした……。その通りですね。

細い脚にビスを仮止めします。先ほどの工程と同様に平らな場所で横に寝かせて作業をはじめて、

途中で止めて、

接合する向きに置いて、さらにビス留め。

〈一言アドバイス〉
脚と板をしっかり密着させるのがコツ。手でしっかりとパーツを押さえなければ、すき間ができてしまうことに…。ビスを一度ゆるめて締め直すと、ぴったりと接合できました。
3. 太い脚の取り付け

板の下穴に合わせて、ビスが板の反対側から出そうになるまで挿し込んだら、太い脚の両端の形を確認して向きを間違えないように置いてからビスを留めします。
4. 脚同士の接合

太い脚と細い脚をビスで留める、最後の工程です!作業台の上でやろうとすると肘が必要以上に上がってしまい、力を込めるのが難しかったのですが、大沼センパイのアドバイスで床に置いて作業したところ、格段に力が入れやすくなりました。体の使い方、すごく大事ですね!

ヤスリがけはお好みで!私はそのままのシャープな線が気に入ったので、手に持ったときに怪我をしない程度に最低限で研磨してみました。スベスベになるまで頑張るもよし。
5.組み立てを終えて

所要時間は公式販売ページに記載している通り、1時間ほどでした。バラバラだったパーツが、頑丈なスツールになりましたよ。お手軽なキットですが、実際にやってみると少しの工夫が必要で、だんだんとドライバーに力を込めるコツが分かってくるのが楽しい!六角レンチをひたすら回す一般的な組み立て家具とはひと味違い、天然木にビスをしっかりと留めていく感覚を存分に味わえました。
一番の難所だったのは、パーツ同士をしっかりと密着させることでした。ドライバーを回すことに夢中になると、押さえている手がどうしても緩んでしまい、すき間ができてしまうことが何度かありました。大沼センパイのアドバイスなしではすき間だらけの仕上がりになっていたかもしれません……。しっかり押さえるひと手間が、きれいな仕上がりの鍵になりそうです。

さて、完成したスツールに実際に座ってみました。心配だったグラつきですが、全く気になりません。建築構造の「筋交い」のおかげか、安定感があります。はじめて自分で作った家具にしては十分な出来栄えで自信がつきました。パーツは無塗装で届くので、色を塗ったりオイルで仕上げたりと、自分色にカスタマイズしても楽しいかもしれないなと思いました。
同シリーズは全部で6種類。「筋交いが効いた2WAYスツール」のほかにも、4本脚のスツールや肘掛け付きの椅子、テーブルまで幅広く揃っています。もし今、欲しい家具があるなら、既製品を探すだけでなく“自分でつくってみる”という選択肢もぜひ候補に入れてみてください。きっと愛着のわく一品になりますよ。
こんな方におすすめ
- とにかく軽いスツールが欲しい人
- 杉のさわやかな香りが好きな人
- 木工やDIYに興味がある人
- 市販品をカスタマイズしたい人
- 日常を忘れて没頭する時間が欲しい人
- 集合住宅に住んでいて、音の出る電動工具を使えない人
- 自分の手で形にする達成感をしっかり味わってみたい人

(スタッフ・東瀬)
杉でつくる家具・組み立てキットは、初心者でも完成させられる手軽さが魅力ですが、万が一途中で挫折してしまった方のために、関東限定で組立フォロープランをご用意しています。プロジェクト担当の大沼がサポートします。場所は中野区鷺ノ宮にある当社のイベントスペース(モノ・モノ分室)です。ご希望の方は、商品販売ページカートボタンのプルダウンメニューからお選びください。お申込み後に担当者より日程調整の連絡を差し上げます。
2026年8月1日 〜 9月8日の期間、モノ・モノとディ&デパートメント東京店によるコラボイベント「DIYのもののまわり-モノ・モノが目指す、生活技術としてのDIY-」を開催しています。
D&DEPARTMENT TOKYO「DIYのもののまわり-モノ・モノが目指す、生活技術としてのDIY-」
※「杉でつくる家具」公式インスタグラムでは、出展イベントやワークショップについてなどをお知らせしています。
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