『杉でつくる家具』とは、1953年に発行された『アイディアを生かした家庭の工作』から木製家具をピックアップし、現代の視点でリメイクしたDIY書籍です。図面作成を手がけのは、KAKデザイングループの工業デザイナーたち(秋岡芳夫・河潤之介・金子至)。ホームセンターも電動工具もなかった時代のノコギリと建築材(貫板やベニヤ板)を駆使した、ミニマルで機能的なDIY家具21作品の作り方や図面が収録されています。
編者紹介
グループ モノ・モノ
KAKデザイングループの中心人物である秋岡芳夫が1970年に結成した、生活運動のグループ。東京・中野にあるクラフトショップ「モノ・モノ」が拠点。「消費者をやめて愛用者になろう」をスローガンに、この指止まれ式のフラットな組織で活動を続けている。本書を制作するにあたり、大沼勇樹、笠原嘉人、菅村大全の3名を中心とするチームが結成された。
目次
・杉のはなし(佐野由佳・編集兼ライター)
・家具だけにとどまらない、とてもユニークな『アイディアを生かした家庭の工作』(降旗千賀子・目黒区美術館学芸員)
・KAKデザイングループについて (臼井新太郎・ブックデザイナー)
・本書で使用する工具/塗料・材料について/工具の使い方/用語解説/構造解説
1章 椅子
筋交いが効いた2WAYスツール/挟み脚の丈夫なスツール/V字脚の背もたれ付き小椅子/三角構造のガーデンチェア/組み接ぎでつくる箱型ベンチ/離乳食に便利な挟み脚のベビーチェア /V字脚のガーデンベンチ/薄い杉板だけでつくる丈夫な縁台/ベニヤ板で補強したローチェア/V字脚のアームチェア
2章 テーブル
挟み脚のサイドテーブル/V字脚のガーデンテーブル/ベニヤ板を使ったV字脚のティーテーブル/ベニヤ板を上手に使った本棚兼テーブル/厚い杉板でつくる引き出し付きの文机/挟み脚のスリムなダイニングテーブル/軽くて美しいV字脚の作業馬/高さを3段階に変えられるテーブル/「高さを3段階に変えられるテーブル」4つの使い方/滑り台や昇降台になる便利な台座/ベニヤ板でつくるV字脚のちゃぶ台/X型の脚がユニークなミニテーブル
原著紹介



KAK結成3か月後に出版されたこの本は、タイトルのとおり、身の回りにあると便利な日用品を、木を主な素材として少ない道具で楽しく作ることを基本に考案された。「針金からコップによる花さし」から「応接セット」まで、50数点の実作の写真とその制作、図面、工程、工具の使用法などが紹介されている。
総128ページにもなるこの内容は、初心者にも配慮されている。河、金子、秋岡、の3人はインダストリアルデザイナーでありながら、高度な木工技術を全員が持っているクラフトマンでもあることからも、この本の手作りな構成がよく理解できる。
解説は金子至、挿絵は河潤之介が担当、撮影には秋岡家の室内が多く登場する。翌年には『婦人朝日』にもこうしたやさしい家庭工作が連載されたり、テレビ出演にも続き、「KAK家庭工作時代」として、新しい暮らしを提案していく。(『DOMA秋岡芳夫−モノへの思想と関係のデザイン』美術出版社より抜粋)

- 著者
- グループモノ・モノ
- 発行元
- グラフィック社
- サイズ
- B5ワイド判・178ページ
- 発行年
- 2025年5月上旬 初版第1刷発行
- I SBN-13
- 978-4-7661-4032-3
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