秋岡芳夫、最後の著作をオリジナル文庫本として復刊
工業デザイナーの秋岡芳夫が亡くなる7年前の1989年に上梓した書籍『新和風のすすめ』を文庫本としてモノ・モノが復刊しました。”消費者をやめて愛用者になろう”というスローガンにはじまり、“新和風”という暮らし方の提案にいたるまで、秋岡芳夫のメッセージが凝縮されています。自費出版物のため、一般の書店やネット書店では購入できません。2冊まではクリックポスト(220円)でお届けできます。
復刊によせて
2020年はグループモノ・モノ誕生50周年、秋岡芳夫生誕100周年という節目の年です。新型コロナウィルス流行のため、残念ながら関連行事は中止となってしまいました。代わりに何か記念することができないか。そんな思いから本書を復刊しました。
コロナ渦により世の中が大きく変わってしまったいま、秋岡芳夫の著作を1冊だけ復刊するならば、どの本がよいか。悩みに悩んで選んだのが、この『新和風のすすめ―めいめの暮らし、クリエーティブに』です。
本書は秋岡芳夫が亡くなる8年前の1989年に佼成出版社から刊行されました。最晩年の著作だけに、モノ・モノ運動をはじめて以降、彼がずっと訴えてきた工業化社会における諸問題や生活文化の見直しが、平易な文章で凝集されています。
秋岡芳夫は徹底したユーザー視点のデザイナーでした。それゆえに企業の論理にし たがって、生活者が使い捨てやあきらめ買いをせざるをえない状況にあらがおうとしました。�狆暖饉圓鬚笋瓩動ν兌圓砲覆蹐�!�瓩噺討咾�け、生活技術、手の能力の回復を提唱しました。
彼が工業デザインの仕事を辞してでも警鐘を鳴らそうとした工業化社会は、情報化社会へと姿を変え、いまやAI(人工知能)時代が到来しつつあります。AI化が進んだ社会では、単純作業はおろか、知的労働さえもロボットやコンピュータに取って代わられるといわれています。そのことを予見しているかのように、本書は次のような一文ではじまります。
「いったい人間とはなんだったのか、何が人間を人間たらしめているのか——いま、改めて問い直す時期にきています。」
哺乳類のなかで人間だけが進化し、クリエーティブな暮らしを続けてきました。その源泉はどこにあるのか。AI時代を人間らしく生きるためのヒントが本書にちりばめられています。
菅村大全(モノ・モノ主宰)
- 著者
- 秋岡芳夫
- 発行元
- モノ・モノ
- サイズ・ページ数
- 文庫版・240ページ
- 発行年
- 第3刷 2023年8月31日
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