室町時代から続く菓子皿を多目的仕様にリ・デザイン
日本の伝統的な食器である「椿皿」をベースに、和洋を問わず使えるようにリ・デザインした銘々皿です。浄法寺塗の岩舘隆・巧さん親子が製作。上塗りには希少な国産漆が使われています。
椿皿の発祥は室町時代といわれています。ネーミングの由来は諸説あり、お皿を横から見た形が椿の花に似ているという説や器の中央にたくわんを盛りつけて、椿に見立てたという説があります。
工業デザイナーの秋岡芳夫は、「みんなで長年使いこんで完成させたアノニマスデザインの優作」として椿皿を高く評価しています。
本作は伝統的な椿皿の基本的なデザインを踏襲し、和洋を問わず使えるようにリデザインしたものです。主な変更点は、口縁の部分のカーブをなくし、高台をやや低めにした点。直径やスタッキングのしやすさは古式の椿皿と同等です。
普段は取り皿として、来客の際は菓子皿として、毎日の生活にお使いいただけます。
愚直に漆を塗り重ねることで耐久性を上げる浄法寺塗
この器が作られている、岩手県二戸市浄法寺町(じょうぼうじまち)は日本一の漆の産地。現在、国内で使われる漆の97%以上が輸入によるもので、国産漆はわずか3%。その国産漆のうち約70%が、浄法寺町を含む二戸地域を中心に生産されているそうです。
浄法寺塗の特徴は何といっても頑丈なこと。その理由は下地にあります。通常は「蒔地(まきじ)」といって、下地に地の粉という漆以外の成分を混ぜたる産地が多いのですが、浄法寺塗は漆以外の原料を一切混ぜず、生塗を塗り重ねて強度を出しています。上塗りに貴重な国産漆を使っているのも特長でしょう。
作り手の岩館隆さんは、漆掻き職人であった父親の正二さんと、息子の巧さんとともに、親子三代にわたって浄法寺漆に関わり、その伝統を守り続けています。「毎日使ってもらうことで漆器は完成するんです。」と岩館さん。塗っては研磨を繰り返す塗師の仕事ですが、最後の上塗りのあとは、あえて研磨を施さないのが岩館さんの流儀。使っているうちに艶(つや)が出てくるようにすることで、使い手に仕上げを託しているそうです。
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岩舘隆(いわだて・たかし)
塗師・浄法寺漆器工芸企業組合代表理事
東北地方有数の漆の産地である浄法寺町で、親子3代にわたって続く塗師。プラスチック製品の普及などにより壊滅状態に陥っていた浄法寺漆の伝統を父とともに再興。岩手県工業技術センターの協力を得て浄法寺塗を確立。伝統的な器を作る一方で、現代の暮らしにあうデザインの器も手がけ、公募展の受賞歴も多い。
- 作者
- 岩館隆
- 素材
- 天然木(漆塗)
- サイズ
- 直径13.5×高さ3cm
- 重量
- 90g
- 製造国
- 日本
- 注意事項
- ※食器機や乾燥機の使用はお控えください。
※金属のカトラリーを使うと表面を傷つける恐れがあります。
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