「トヨさんの椅子」のデザイナーが手がけた、もうひとつの名作

日本人のための椅子を生涯にわたり研究した豊口克平の代表作のひとつです。格子状の背もたれは英国のウィンザーチェアがモチーフ。あぐらをかいてゆったりと座れる大きな座面が特徴です。

低めの座面（高さ34cm）は、和室に置いたときに違和感がないようにという配慮から。座面のサイズは幅81×奥行69cmと座椅子としては大型で、親子が並んで座れるほど。大柄な男性が座ってもしっかりと受け止めてくれます。一方、小柄な人が座るときは、背もたれとの間にクッションを挟むと快適になります。

座り心地や立ち座りのしやすさは「トヨさんの椅子」に軍配が上がりますが、末広がりに組まれた背棒（スポーク）と、ボリューミーな座面が組み合わさった力強い造形は存在感が十分。和モダンなインテリアを演出する小道具として購入する方が少なくありません。

英国のウィンザーチェアを日本人のための椅子にアレンジ

スポークチェアの背もたれは、ウィンザーチェアと呼ばれるイギリスの伝統的な木製椅子がモチーフになっています。正確には“コムバック”といわれる様式で、スペイン風の櫛（くし）に形が似ていることに由来します。

デザイナーの豊口氏は1961年に開始された「天童木工家具デザインコンクール」の事前調査を兼ねてウィンザーチェアに関する資料収集を開始。1963年にスポークチェアを発表します。豊口デザインがすばらしいのは、西洋の模倣ではなく、畳の上で暮らす日本人のための椅子として、ウィンザーチェアを見事に昇華させている点です。

初号のスポークチェアは1973年に生産中止になるものの、復刻を望む声が多く、1995年に天童木工が復刻。以来、日本を代表する名作椅子としてロングセラーを続けています。

座面の張り地は、吸湿性の高いウールを混紡したレトロモダンな14色をご用意しました。受注生産品のため、ご注文からお届けまで1ヶ月ほどかかります。

座面カラー

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本品をお買い上げされた方に、もれなくオリジナル文庫本『新和風のすすめ』をプレゼント！商品お届け後に納品書と一緒に郵送いたします。

秋岡陽／目黒区美術館提供

豊口克平（とよぐち・かっぺい）

工業デザイナー

1905年秋田県鹿角市生まれ。東京高等工芸学校卒業。1928年にバウハウスの理念に基づいたデザイン研究団体「型而工房」を結成、量産向けの家具作品を発表する。1933~59年まで商工省工芸指導所に勤務。1959年に豊口デザイン研究室を開設。その後、桑沢デザイン研究所、武蔵野美術大学教授、日本インダストリアルデザイナー協会理事など歴任。1991年没。

デザイナー

豊口克平

製造元

天童木工

素材

本体：天然木（ナラ・ウレタン樹脂塗装）、座面：ウレタンフォーム、張り地：アクリル70%、ウール30％

サイズ

幅81×奥行68.7×高さ83cm（座面高34cm）

重量

約9.6kg

生産地

日本

納期

3~4週間

注意事項

※受注生産品のため、ご注文後のキャンセルはお受けできません。
※天然木のため、木目や色合いが一点一点異なります。
※木材が反るのを防ぐため、エアコンやヒーターの近くでの使用はお控えください。
※メーカー直送品です。代引き決済、時間指定配達はお受けできません。