1960年代初頭に発表されて以来、形を変えることなく制作されているロングセラーの土瓶です。
デザインを手がけたのは山田光。戦後まもなく京都で八木一夫らとともに前衛陶芸家のグループ「走泥社」を結成。焼き物による立体造形を追究してきた陶芸家です。
2023年7月に京都国立近代美術館で開催された回顧展では、走泥社について次のように紹介されています。
1948年に八木一夫、叶哲夫、山田光、松井美介、鈴木治の5人で結成された走泥社は、その後、会員の入れ替わりを経ながら50年間にわたり、日本の陶芸界を牽引してきました。走泥社という団体の功績について一言で述べるとすれば、いわゆる「オブジェ焼」を世間に認知させたということになります。
山田光は1923年に東京で生まれ、関東大震災の混乱を避けるため岐阜市に疎開します。岐阜市内の中学校を卒業した後は京都高等工芸学校(現・国立京都工芸繊維大学)に入学。陶芸家の父(山田てつ)のもとで修業を積みます。当初は中国古陶磁の写しなどに取り組んでいましたが、やがて伝統的な焼き物の技法を応用したオブジェ(立体造形)の制作に挑戦するようになります。
一方で実用的なクラフト作品も多く手がけており、自宅工房に「門工房」を開設。新時代のクラフトの創造を目指して「現代工芸協会」を結成。走泥社の東京展では毎年クラフト展が併催されていました。
ダイナミックなオブジェとは対照的に、山田光が手がけた一連のクラフト作品は、静かで飾り気のない美しさに満ちあふれています。この土瓶も代表作のひとつ。ミニマルなデザインですが、あたたかみがあり、飽きることがありません。
時代を超えて愛され続ける名作クラフトで、ティータイムを楽しんでみませんか。
- 作者
- 山田光
- 素材
- 磁器
- サイズ
- 直径約12×高さ約13.5cm(注ぎ口、持ち手含まず)
- 重量
- 約495g
- 容量
- 約1000ml(満水時)
- 製造国
- 日本
- 注意事項
- ※手作り(ろくろ成形)のため、サイズにわずかなバラつきがあります。
※釉薬を厚めにかけてあるため、ムラや微細な穴(焼成時の発泡による)が生じる場合があります。
※掲載品は店頭にも陳列しています。売り切れの場合はご容赦ください。
※写真の湯飲み、茶托は付属しません。
※外箱は付属しておりません。あらかじめご了承ください。
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