メーカー担当者に聞く、アップライトの正しい使い方
アップライトチェアは、子どもの姿勢を考えた椅子ですが、間違った使い方では性能が十分に発揮できません。開発チームの一人、豊橋木工の近藤泰一郎さんに間違った使い方の例と、正しく使うコツをお聞きしました。

お腹が触れるくらい椅子をテーブルに近づける、これが正しく座るための一番のポイントです。
私たちは、全国の販売店を巡りながら、「アップライト確認会」を開催しています。これは購入者に向けたアフターサービスの一環で、お子さんを会場に連れてきていただき、正しい使い方をお客様に直接レクチャーしています。
なぜ遠くまで出向いて、そのような会を開催しているかというと、「せっかくアップライトを買ったのに子どもの姿勢がよくならない」という声をお客様からいただくことがよくあるからです。「姿勢がよくならない」というお客様に説明会へ来ていただき、「自宅と同じように座ってみてください」とお願いすると、やはり使い方が間違っているケースが圧倒的に多いんです。「取扱説明書だけでは不十分なんだ」ということを痛感しまして、各地で確認会を続けています。
確認会を通じてわかった「姿勢がよくならない原因」の1位は、「テーブルとお腹の間隔が広すぎる」ことです。お子さんが座ったとき、お腹とテーブルの間が空きすぎていると、背中がぐにゃりと曲がった、前屈みの姿勢になりがちです。
そうならないように、お子さんがアップライトに座ったら、お腹がテーブルに触れるくらいまで椅子を後ろから押してあげてください。そうすると、腰が背もたれに密着して背筋が自然と伸びるはずです。お子さんが自分で椅子を引けるようになるまでは、「椅子に座ったら前に押してあげる」、これをぜひ習慣にしてください。


3ヶ月に一度、座面の高さが合っているかどうか見直してください。
「姿勢がよくならない原因」の2位は、座面と足台の高さ調節がうまくできていないケースです。両腕がテーブルに接するように座り、肘が直角になっていれば、座面の高さはベストです。その状態のまま、今度は膝が直角になるように足台の高さを調整します。口でいうと簡単なのですが、実際にできてないケースが意外と多いんです。今回、私が立ち会って理想的な状態を撮影しました。こちらの写真を参考にして、肘と膝が直角になっているイメージをつかんでみてください。
一度、正しく高さをセッティングしたからといって安心してはいけません。子どもの成長は早いですからね。目安としては3ヶ月に一度、お子さんの座った様子を真横から観察して、都度高さを調節するとよいでしょう。


別売のベビーシートを使用中の方にも気をつけていただきたい点があります。それは「常に最上段の位置で使う」ことです。確認会でお客様の話をうかがうと、上から2段目、3段目の位置にベビーシートをつけているケースがあります。成長著しいお子さんを見ている親御さんの気持ちはわかるのですが、ベビーシートを最上段ではない位置につけると、座面の奥行がお子さんの体格に対して広くなるため、背中が背もたれに密着しなかったり、ベビーシートからお子さんが自分で抜け出したりしてしまう恐れがあります。ベビーシートを使っている間は、お子さんが成長しても、常に最上段で使うようにしてください。
以上、私がお伝えしたポイントを押さえれば、アップライトを使い続けることで美しい姿勢がきっと身につくはずです。
(構成:菅村大全、写真:加藤晋平)
お話をうかがった人

1975年愛知県豊橋市生まれ。大学卒業後、都内の大手家具メーカーに就職。営業職として13年間勤務。2011年に祖父が創業した豊橋木工に入社。営業部門責任者、専務取締役を経て、2019年に代表取締役に就任。アップライトには開発当初から関わる。
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こちらのロータイプは高さ60~66cmのテーブルと組み合わせて使えます。姿勢保持効果は標準モデルと同じです。