自然素材の台所道具と長くつき合うためのコツが学べる
クラフトバイヤーとして活躍する日野明子さんの待望の新著。漆器、鉄瓶、おひつ、鉄のフライパンなど、一度は使ってみたいけど、お手入れが不安でちゅうちょしてしまう…そんな人のための買い物ガイド兼メンテナンスマニュアルです。
1章ではプロのバイヤーから見た台所道具の選び方が指南されています。2章では、木のうつわ、漆のうつわ、鉄の道具、銅・真鍮の道具など、素材ごとに分類してあり、大半の道具のメンテナンス方法が学べます。3章では洗剤などのお手入れ道具についても言及されてます。コラムではメーカーや専門店の探訪記もあり、読み物としても楽しめます。
著者からのメッセージ(本書「はじめに」より)
仕事柄、 気になった道具があるとつい手に入れてしまうので、 同じ用途にもかかわらず大抵のものは複数あります。 おひつは5個、 鉄のフライパンは6個、 漆椀も・・・・・・という感じなので友人にはたまに貸し出します。 おひつ、 鉄のフライパン、 漆椀は 「使ってみたいけど、なかなか勇気が出ない」 トップ3のようです。 しばらくして戻ってきたもののいくつかは、ちょっと違った表情になっており、 人が違うと手入れも違い、 表情も変わるものだと毎回興味深く感じます。
本書の1章は 「選び方」 ですが、 「どれが良い」かを強くお勧めはしていません。 それぞれの道具の歴史と素材の特徴などを説明していますので、それを踏まえてご自分に合いそうな道具を選んでみてください。 読み物として楽しんでいただいても構いません。
2章は「手入れの仕方」 です。 道具は使い込んでこそ良さが出てくるので、使い込んで深みが出てくる手入れの仕方を紹介しています。もし「ピカピカにしたい」 と考えられる方は、3章のコラムを読み解き、ヒントにしていただければと思います。
また、手入れの仕方と作り方を教わりに3つの工房に伺いました。 漆器の製造と直しを生業とする漆琳堂さん、木工家庭用品の企画問屋の山一さん、 包丁専門の店舗もあるキッチン用品専門店の釜浅商店さん。 いずれも貴重な工程を撮らせていただきました。 現場の写真はお手入れの参考になること間違いありません。
「ちょっと面倒かも」 と思った素材も、慣れれば楽しいものです。皆さんの台所道具が 「それぞれの家の顔」になるための手入れの手助けになればと願います。
日野明子
- 著者
- 日野明子
- 発行元
- グラフィック社
- サイズ・ページ数
- 257mm x 190mm・184ページ
- 発行年
- 2025年3月10日