革小物のように使うほどに味わいが増す、天然木の名刺入れ
北海道旭川市のクラフト作家、丹野則雄さんが1992年の発表以来、30年近くにわたって作り続けているカードケースです。本体はもちろん、留め具にいたるまで天然木でできています。使い込むと手脂によって艶が増し、革製品のような経年変化が楽しめます。
木の名刺入れはいまではめずらしくありませんが、丹野さんの名刺入れは加工の精度が違います。それを物語るのがフタを閉じたときの音。“カチン!”と小気味よい音を立てて留め具が閉まります。また、フタを閉じると継ぎ目がほとんど見えなくなり、1枚の板のように見える精緻な作りも人気の理由です。
天然木の手触りよさも本作の魅力。表面はサンドペーパーを使い、手作業で1点1点丹念に研磨してあります。また、本体両サイドの角を大きく丸めてあるので、ポケットから出し入れするときに布地を傷めにくく、手にしたときも軽やかに感じます。気になるのは収納力ですが、一般的な名刺なら20枚前後が入ります。

木製の開閉機構を研究してきた作り手ならではの工夫が随所に
丹野さんの前職はデザイナー。旭川の大手家具メーカーにインハウスデザイナーとして勤務していましたが、「自分の手を動かしてもの作りをしたい」と思いはじめ、30歳のときにクラフト作家に転身。その名が知られるようになったのは、地元の木工所と共同製作した木製のカバン(その名もKIBAN)が1980年度の「日本クラフト展」で新人賞を受賞したことでした。
出典作品で、丹野さんはハンドルや蝶番などの可動部分のパーツ製作を担当していました。天然木を使って可動部品を作るには制約が多く、材料の癖を見抜き、乾燥による収縮などを予測して加工する難しい作業ですが、丹野さんは逆に木工の奥深さに魅せられるようになり、以降、名刺入れ、錠剤入れ、ペンケースなど、小型の箱物を専門に手がけ、独自に研究を重ねてきました。
そんな丹野さんの技術力が垣間見えるのが、留め具の受け部分です。本体と異なる硬質な木を適材適所で使い分け、「隠しサネ」と呼ばれる補強材(薄い板)を本体内側に忍ばせてあります(上写真)。また、蝶番や留め具の内部にはステンレスのスプリングやビスを見えないように埋め込み、耐久性を最大限に高めてあります。万一、部品が壊れた場合でも修理が可能なので、安心して使うことができます。
本体の素材はナラとウォールナットの2種類。汚れが付着しにくいように、植物性のオイルを含有したウレタン塗料で表面を塗装してあります。材料は丹野さんがみずから吟味し、木目が最も引き立つ部位を選んで加工してありますが、天然木のため木目や色合いが一点一点異なります。ギフトの場合は備考欄にてお知らせください。不織布のラッピングバッグに入れてお届けします。


丹野則雄(たんの・のりお)
木工家
1951年北海道生まれ。1973年北海道デザイン研究所(現・北海道造形デザイン専門学校)卒業。1973~77年インテリアセンター(現・カンディハウス)勤務。1980年クラフト&デザインタンノを設立。1990年以降はフィンランド、スウェーデン、デンマークで個展やワークショップを行うなど海外にもファンが多い。
- 作者
- 丹野則雄(旭川)
- 素材
- 天然木(オイル含有ウレタン塗装)
- サイズ
- 幅7.6×高さ10.3×厚さ1.4��
- 重量
- 約50g
- 収納量
- 約20枚
- 製造国
- 日本
レビュー
- H.K
- 50代
- 男性
- 2026/03/31 13:09:10
- ryoko
- 40代
- 女性
- 2020/06/11 09:22:57
個人的に木が好きな事もありますが、手に触れると穏やかな気持ちになります。細部もしっかりしており長く使える物だと思います。
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これからまた育てていきます。